IAA2001(FRANKFURT MOTOR SHOW 2001)
4日目〜5日目:Press Days(2001/09/11〜12)
いよいよ、あと1時間ほどで健全なるヲタクの祭典、コミック○ーケット・・・じゃなくて
フランクフルトモーターショウが開幕します!
開場は9時ですが
8時ごろから入ってPCの立ち上げや動作チェックを開始します。
で、デンソーブースは?と言うと
めっちゃキレイに掃除されてました。
アクリルの化粧棚も、ギラツキ一つありません。
VIPルームへ入るガラス戸も、指紋一つ付いてません。
夜警担当のモロッコ人のラビィ君、おつかれさま!
すごいです。完璧です。ビバオランダ人!
って、ここドイツなんですけどね。
国籍で言うと話がややこしくなりますね、ホント。
で、説明員の人たちに一通りぼくの持ち込んだコックピットモジュールのアピールポイントや、
技術的なところをざっと「英語で」説明し(説明員はみんな非日本人)、さいごに「AnyQuestions?」
と、何も質問来ねぇだろ、と確信して言ったところ、イギリス人風の方がニコッとしながら
人差し指を上げてるではありませんか(注:日本では手を挙げるが、欧米では人差し指を肩のあたりで挙げる)
「Ye・・Yes?」(かなりビビリモードのみずにー)
「アノー、ソノシステムハ客サンニ触ラセテモ、ォ−大丈夫デェスカ?」
アンタ、ペラペラじゃん!
「無問題!(モウマンタイ:No Problemの意)」
「・・・OK!」
なぜ通じるおい。
言葉が通じなくても雰囲気で十分コミュニケーションは可能のようです。
さて、説明員の人たちへの説明が終わったので、いよいよ他社製品調査を開始しますか。
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ま、当然こっちが先でしょ(ぉぃ |
F1のエンジンです |
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シュコダオクタビアRSのWRC仕様です。 |
全然人が居ないんですよ。 |
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コックピットです |
りあです。もう貸し切り状態〜!! |
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B3−3.3のカブリオレです。 |
ウッドがステアリングにもあしらってあります。 |
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リアはこんな感じ |
カブリオレのプレートはココにつきます。 |
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ロードスターV8です。 |
内装です。 |
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リアです。あまりにベースが美しすぎるので |
こちらは去年からちょくちょく見かける |
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こちらがフロントビュー |
別館に行くと、戦前の名車がズラリ。 |
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業界でめちゃ注目されている7シリーズです。 |
これがリア。 |
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M3CSLです。東京でも展示してたようですね |
すごい迫力です。渋いメタルな色も決まってます。 |
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CSLの内装です。軽そうなフルバケが |
本モデルからBMWの系列になったミニです。 |
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コラム付けメータで、インパネ内の苦しい搭載をクリアしてます |
オリジナルのセンターメータ |
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上級グレードになるとCD−ROMナビが付きます。 |
オートエアコンだってあるんですよ。 |
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VWグループの傘下に入り再建を図るブガッティ。 |
これが内装。 |
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V16クアドターボのエンジン。 |
VWの新しいポロ。 |
この合間に、当然部品館の方も回ってきてますが、ココで載せても興味の無い方ばかりだと思いますし、
撮影した展示品の写真の中には盗撮や潜入によって得られたものもあり、機密保持上問題になってしまうので
割愛させていただきます。
部品メーカの展示の中には、競合会社の立ち入りや接近を認めない会社があるんですよ。
だったら置くなよ!と言いたいのですが、車両メーカや一般の人には自社の技術力をアピールしたいという思惑もあるので
なんともしようがないのです。
そのあたりをハッキリさせていたのがデルファイです。
展示ブース全体を大きなカプセル状にしてしまい、狭い入り口では名刺で会社名を確認するか、
報道関係者専用バッジ(プレスカード)がないと中に入れないという徹底ぶり。
出展関係者のバッジは「エキジビジョンパス」なのですぐわかっちゃうんですよ。
で、当然競合会社であるデンソーは「No sir!」
でも・・・・
ダメって言われたら入ってみたいでしょ?
ね、ね?(同意を求める)
入りました。
とある方法で。
その顛末はこっちでお話します。
それと、このプレスデー初日の9月11日は、ぼくにとってもう一つの出来事のため忘れられない日になりました。
米国同時多発テロ
午後3時ごろ、ちょうどぼくが安城に本社のある某部品メーカの課長さんと、遅めの昼食をご馳走になりながら
遠い異国の地での妙な連帯感を分かち合っていました。
(みずにー注:プレスデーと特別招待日はどこの展示ブースでも食事が用意されています。カタログもらいに行っただけで、
「ワインでもどうですか?オードブルや食事もあります。よろしければごゆっくり」となるんです。
なんだか特権階級になった気分です。期間中会場内の食事は全部タダメシで済んでしまいました)
ところが、急にあたりが静かに、あわただしくなってきたのです。
「何かあったみたいですよ。ちょっと見に行きませんか?」
ちょうど近くに米国系の部品メーカがあり、さっきはそこで大画面を使ったデモビデオで宣伝をやっていたのですが、
行ってみるとCNNのライブ映像に変わっており、キャスターが緊張した早口で「世界貿易センターに航空機が激突。国防総省にも
航空機が墜落した模様」と繰り返し報じており、背景には煙を上げているWTCが写っていました。
「事故ですかね?」「いや、あれなんですか!?後ろから飛行機が旋回して向かってきてますよ!!」
飛行機がビルの裏に消え・・・
「あっ!」
音も無く、ビルから煙。
その瞬間の、表現しようの無い、息を呑む音とその直後の静寂。
「・・・・・・・なんてこった・・・・これ、テロですよ」
「えらいことになりましたね」
みんな無言で画面に食い入っていました。
その後30分、ぼくもその課長さんも、画面から目が離せませんでした。
やっと落ち着いてきました。
「どうもご馳走様でした。一旦デンソーブースに戻ります」
「そのほうがいいですね。会社から何か通達が出てると思いますよ」
案の定、本社からFAXが来ており、全員の安否の確認を返信するようにとの指示が来ていました。
また、週末まで航空機による移動を全面禁止する、とも書かれていました。
とりあえず、「みずにー生きてます」と国際人事部と職場の人に一報入れておきました。
その時点では、テロであることはわかっていましたが、ターゲットがわからない以上
世界最大のモーターショウも十分テロの標的になりうる、という認識で動いていたからです。
真剣に怖かったです。
なぜなら、民間航空機をハイジャックして突っ込ませる方法を取られたら、空港から10kmも離れていないここは
メチャ危ないですから。
爆弾を事前に仕掛ける必要がありませんから、直前までわかりません。
スタッフだけでも数千人が集まっているMesse。
しかもプレスデー初日なので世界の自動車産業のVIPたちが勢揃いです。
自動車産業の壊滅を狙うには格好のタイミング。
しかもハイジャックされてから攻撃を受けるまでに要する時間は数分。
逃げられません。
しかも、会社からは移動禁止命令。
とりあえず、ブースのお姉さんに戻る時間を言ってから出掛けるという方法で
午後8時の閉館まで各展示ブースを回ってきました。
夕飯?
何食べたか覚えてません。
たぶんマック飯テイクアウトだったと思います。
日本でこの事件を見られた方は、行方不明の人の無事を祈ったりそういう視点でとらえていたことでしょう
でも、ぼくは違いました。
「次の標的は、フランクフルト、Messeかもしれない」
この不安、この場に居なかったら絶対わかんないと思います。
プレスデー2日目。
午前8時半。デンソーブースはいつもの定例ミーティングで始まります。
フランクフルトオフィスのクレメーさんが今日訪問予定のVIPリストを見せながら、
スパイが裏展示スペースに入ってこないよう気をつけてほしいと注意していました。
また、館内放送についての案内もありました。
コード101:1階で異常事態。建物から完全退避せよ。
コード102:2階で異常事態。建物から完全退避せよ。
コード103:安全が確認されるまでその場で待機
以下割愛。
マジでシャレになっていません。
で、いよいよプレスデー2日目が始まりました。
そして、10時ごろ。
けたたましいサイレンとともに、館内放送から流れてきたのは
「Code 102 at Halle 3!Code 102 at Halle 3!・・・」
マジですか!?
いくつかの自動車雑誌でもその様子が書かれているとおもいます。
この爆弾騒ぎ、Hall3.1という、VWが入っている上のフロア(日産、ルノー、フォード、ボルボ等の展示エリア)で
不審な荷物が見つかったため、会場の客を避難させたあと、ドイツ軍の処理班がドカドカと突入、というものでした。
結局その日はずっとドイツ軍の兵士さんが非武装(2人一組)でHall3.1のあっちこっちを巡回してました。
緊張しました。
だって、
僕の姿:両手に重そうな紙袋。中身はマニアックなカタログばかり。髪バサバサ。よれよれの上着を着ており、
一目で警戒モードを発動させるに十分な容貌。
にっこり微笑みかけるドイツ軍の屈強な2人の兵士さん。でも目はマジ。
額から汗たらーりのぼく。
いろんな意味で怖かったです。
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