欧州出張プレゼン出張2004(2004/6/20〜7/2)

2003年から2004年にかけて、ぼくはイタリア・フランス・日本の3カ国共同プロジェクトの日本側のプロジェクトを統括していました。
その最終目的である欧州プレゼンが、いよいよ2004年6月から始まりました。
これから2週間掛けて、自動車メーカ3社とサプライヤ数社を訪問し、受注の可能性と受注した際の調達体制の確認を行います。
(最終的に技術展示用のモックアップは2005年6月までの長旅になりました)

でも、ずっと仕事では疲れちゃいますので、そこは適当に息抜きもしながら、ね。(^^)

さて、みずにーの8割仕事、2割バカンスのはじまり、はじまり〜



6/20(日)
昨晩までに荷物はほぼ完璧にそろえたつもりでしたが、
スーツ用の靴や、他にもいろいろ細かいものを忘れてたので、出発直前に、ずいぶんばたばたしてしまいました(^^;


今回は日曜出発なんで、ウチの奥様が空港まで送ってくれました。
うん。これだけでもずいぶんラクですよ。

なんとか7時には名古屋空港に到着。
ここで偶然にも上海に向かう住友電装の宮田さんと遭遇。
実は宮田さん、今回のプロジェクトでコネクタ・ハーネス関係の開発を担当して頂いた方です。
こんな偶然ってあるんですね。
「あれ、みずにーさんじゃないですかー今日からヨーロッパですか?」
「あ、いつもお世話になっております〜。そうなんですよー」
宮田さんがスーツをきちっと着込んでいるのに対し、TシャツにGパンという、到底仕事に行くとは思えない格好のみずにー。
「でわでわ〜」
「でわでわー」

喫茶店で時間をつぶして、いよいよ搭乗開始。まずは成田へ向かいます。

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セントレアが完成したら、ここからヨーロッパに行くことも無くなるんですよね。

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成田までという短いフライトなので、エコノミーでOK、
ということでこの便はエコノミーです。
マイレージ目的でJALを選んだんですが、
今思えば、ANAのほうがよかったのかも。

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で、指定された座席がコレ。
あれ?なんかJクラスよりもひろびろしてない?
TVも大きいし、ついに12インチのTVですかー。
あと、シートが電動になってます。
ボタン一発で食事姿勢、着陸態勢、睡眠体制が作れて、
かつ細かい調整が個々に出来ます。すげー。

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これが新しく増えたJクラスってやつかなー?
って思ったら、ビジネスクラスだったことがあとで判明。
回送便なので、エコノミー価格で座れちゃったみたいです。
やったー得した〜
中日新聞もバッチリGETしましたです。

でも飛行時間は50分。すぐ着陸です。うーん残念。
成田で乗り換えですが、よくよく見ると到着から次の便までの時間は30分。
なんだよー全然時間ないじゃん。

というわけで、ラウンジではちょちょっとメール打って終りになってしまいました。

で、パリ便の搭乗開始。
ビジネスクラスは・・・あり?さっき乗ったやつと同じ列の座席じゃん。
というわけで、さっきエコノミーの券で乗った席は、ビジネスクラスだったことが判明。

このほぼ水平まで寝るシートと、カプセル状のシェルのアイデアはなかなかいいです。
後ろの席に迷惑が掛からないという点で、別体のシェルというのはかなりグッドです。

映画は、12本から選べます。
5本くらい見れたかな(^^;
HDDサーバになって、オンデマンドで再生開始や一時停止ができるようになってました。
トイレに立つとき一時停止できるのが便利だし、CPUの性能が良くなったのか、
去年みたいにコマ落ちも無くきれいな画像で見れました。

成田を正午ごろに出て、パリに着いたのが現地時間の午後2時。
ということはサマータイムを考慮しても約14時間くらい、ですかね。
やがて長いフライトも終りシャルル・ド・ゴール空港に到着。
20分ほどで荷物を受け取り空港のロビーに出たら、フランス側プロジェクトリーダーのシャルボネルさんが迎えにきてくれてました。

「わ〜おひさしぶりです〜(^^)日曜なのにわざわざ迎えにきていただいてすみません〜」

「よく来たね〜、遠くから来てくれたんだから当然だよー。気にしないで(^^)」

で、ホテルまで送ってもらう途中で、
「みずにーさん、ちょっと寄り道したいんだけどいいかな?」
「ええいいですよ、今日はもう予定ないですし。」
「娘が乗馬コンクールから帰ってくるから、ちょっと会いたいんだよね〜」
「乗馬っすか?・・・普通に仕事やってるんですよね?」
「うん。趣味が嵩じて、ってトコかな。ウチの娘、小柄なんだけど馬運車駆ってコンクール行っちゃうんだよね」
「まじすか!?すげーー! でコンテストって何処だったんですか」
「ノルマンディー。ここから300キロ弱のとこだよ」
「一人で?」
「そう。ひとりで。」
「へぇ・・・(みずにー絶句)」

いろいろ話をしているうちに、ハイキングコースと思しき狭い道を抜け、うまやに到着。
障害競技の練習場なんかがある、乗馬クラブ見たいなトコに到着。

「あれ?まだ着いてないのかな?・・・あーこちらが娘のボーイフレンド」
「こんちわ!」
「こんちわ!」

以下、シャボさんとボーイフレンドがフランス語でしゃべってます。
「娘はまだ?」
「ぼくも待ちぼうけなんっすよ〜。彼女デカイ車走らせてる最中だから、ケータイ掛けるわけにもいかないし」
「なるほどね」

はっはっはっ、うろうろうろ・・(やたらテンションの高いゴールデンレトリバー登場)
あ、こっちに来るぞ・・・(みずにーをロックオン。歓迎体制でアプローチ開始)
たったったっ・・・がばっ!
「うわっ!?」(近づいてきてそのままみずにーによじ登る犬。人懐っこすぎ(^^;;)
「こーらっ!・・・あーそれウチの犬」

「こんちわー」
「ばうばう!」

「じゃ、待ちついでに、ウチの馬紹介するわ」
「え、出掛けてる2頭だけじゃないんですか?」
「出掛けてるのが3頭で、のこり4頭はあっちに住んでるよ」

というわけで、馬用のトレーニング施設と、3頭の馬を見せていただいたところで、
娘さんが馬運車を駆って到着。

馬が最大5頭、さらに人間の仮眠室程度の部屋も付いた、6トン車くらいの大きさの15年モノ?のトランスポータ。
こういうのを個人で持ってるっちゅうのがすごいですね。

さぞお金持ちなのかと思いきや、話を聞いてる感じでは、それほど高価な趣味でもないようです。
でも馬7頭は、やっぱすごいと思います。

なんでも、一番年上の馬の孫が、今いちばんセンスがいいメスの馬(7歳)だそうで。
実際、トランスポータの一番奥から出てきたのはこの馬でした。

栗色の毛並みがとってもきれいな美人の馬でしたよ。

さて、ちょっとした寄り道の後で、Maison Laffite に到着。ホテルまで送ってもらい、この日のお仕事は終了。
部屋に入って、ネット環境を構築して、メールチェックを行ったのち、食料を求めて出掛けることに。

水と食料を売ってるスーパーを発見。とりあえず1リッターボトルの水はデフォでMUST。
あとは晩御飯になりそうな食料を買って、全部で4ユーロ弱。

宮廷の付近と、SNCFの駅を確認して、周辺にある店をチェックしながらホテルに戻ったとたん夕立が・・・

傘もって出掛けなかったので危なかったです。

ゴハン食べながら残りのメールチェックやって、シャワーの後でネット巡回&サンマリノF1グランプリを見てたら、
22時になって、急に眠気が出てきました。
気付かなかったけど、疲れてたんだなぁ、と。

翌日になって、ぼくが21時ごろ見てたF1の番組は録画だったことと、
佐藤選手が3位入賞・シューミ(フランスではそう呼ばれてるらしい)が予想通り優勝したことを知りました。

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Maison laffite にあるホテルに到着。
とても静かな町です

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この明るさで午後6時。気をつけないと夜更かししてしまいそうです

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中はきわめてシンプル。クローゼットは仕切りだけという簡素さですが、
ハッキリ言ってこれで十分です。
ネットが繋がれば、だいたい満足です。

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バスルームです。やっぱちょっと古い感じですね。
でも、パリ市街まで電車で15分のロケーションで
1泊7800円ですから、十分ですよ。

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ホテルを出て、ちょっと散歩してみました。
静かに流れる川と公園がありました。
向こうに見えるのは電車の橋です

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なんと白鳥です。アヒルかと思ったんですが、胴体が
80cm近くあり、巨大です。

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裏路地を抜けて、メインストリートに出ます

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パリ市街からの急行列車です

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Maison Laffite駅が見えてきました。
ホテルから歩いて5分くらい。これで自力で移動できます。

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駅前の通りはこんな感じです。

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いかにも「フランスの街角」って感じしませんか?

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こちらは Laffite 邸に向かう道です。

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たいへんキレイに手入れされた町です

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Laffite邸正面の噴水。
正面といっても、邸宅は100mほど右にあるんですが。。。

6/21(月)

7時半にシャボさんが迎えにきてくれるとのことだったので、
朝6時から開いているというホテルのレストランに6時に行ったら、「今日はレストラン7時からだよ〜」だって。

勝手に変えんなよオイ。

仕方がないので、メールチェックと着替えを先に済ませてから、7時に出直しました。

あったかいものがコーンスープしか無いぞー
卵とか、ソーセージとか、サラダとか全然無いんだなこれが。
薄切りのハムとチーズ、シリアル類にパン・スポンジ。

この内容がなんで7時にしか準備できないのか理解できんなぁ。

で、7時20分に朝食終えて出てきたら、もうシャボさん待ってました。
カバンもって食事に行って正解でした(^^;

シャボさんのシトロエンC5でDSFRに向かいます。

「・・・この時間なら30分で着けるかな」
「やっぱ渋滞すごいんですか?」
「んー。定時間際を狙うと1時間掛かるんだよね。で、30分早く出ると30分で着いちゃう。」
ラッシュアワーの渋滞はどこも同じですな。

やがて延々と続く渋滞が見えてきました。
「しっかし混んでますねー」
「いっつ、のーもぅ(いつもこんな感じネ)」
でも、時々流れます。途方も無く長そうな渋滞でしたが、5分ほどで抜けました。
ロータリーじゃなく信号だから込むのか・・・
(何故かはわかりませんが、ラテン圏ではロータリーが多いし、流れも信号よりスムーズ)


外環道を西へ向かいます。
「あーこの高速、ベルサイユとおんなじ方向ですね」
「そうそう。ベルサイユはDSFRからそんなに遠くないよ」

時々流れの悪いところもありますが、そういうトコは、たいてい工事で車線規制だったりします。

そうこうしているうちに、インターを降りると新興オフィス街に到着。
この一角にDSFR(デンソーセールスフランス)&DNTS−FRANCE(デンソーサーマルシステムズ・フランス)のオフィスがあります。

すげーきれいな建物で、びっくりです。
一人あたりのスペースも、DNJPの3倍以上ありますし、窓が明るくて、床がグレーじゃないので気持ちいいです。

こういう環境で仕事したいですな。

明日のプレゼンで使うパネルとビデオを簡単にチェック。
ちょいっと修正が必要な個所がありましたが、パッチで対応できそうなレベルなので一安心。

10時半から、プジョー本社で明日のプレゼンの下打合せがあるため、10時ちょっと前に出発。30分くらい掛かるそうです。

「DNJPとトヨタとの距離感に似てますね」
「あーそうかもね。」

それにしても、インターでの乗り換えの複雑なこと。
「これ、一発で覚えれるものなんですか?」
「いや、難しいね。でも、プジョーに行くときは、全部の分岐を右に行くと着けるから、覚えれば簡単だよ」
「いやたしかにそうですけど(^^;」
「パリはね、電車じゃ不便だから、どうしても車になるんだよね」
「あー、そういえばメトロって全部シャトレーで乗り換えないと目的地に行けないですね」
「そうそう、全部放射状で、直線に走る線が無いからね」

など、いろんな話をしながらC5の「どんぶらこ」な乗り心地を堪能しているうちに、プジョーシトロエンの本社に到着。

来客駐車場に停めるためには、人間の入構許可が要るということなので、車を門の近くに停めます。
が、同じ目的ですでに停まっている車のために周りは大混乱。
なんでこんなルールなんだろ〜

ここで免許証と名刺を見せて、ビジターパスを発行してもらいます。ぼくはフランス人じゃないのでパスポートも必要になります。
プラスチックのカードにバーコードと名前を印刷したカードをもらい、中に入ります。

郵船航空の現地スタッフ(小柄でちょっと東洋的な感じのフランス人)のクリスティーヌさんと合流し、
プレゼン会場とトラックの入れる門、通行ルートを確認します。
しかし、プレゼン当日の入構者(数人)の身元確認作業だけで、1時間もかかってしまいます。さすがラテン。

大丈夫なんかなぁ・・・今日の予定は時間通りこなせるんでしょうか?
ということで、郵船航空のクリスティーヌさんに
「んー、はうどゆてんかばうとでーず すけどぅーる。いずいっ ごーいんぉんたいむ?」
と聞いてみたところ
「あ、今日の予定ですか?(注:めっちゃネイティブな日本語です。ちなみにぼくのフランスでの会話はフランス語5%、英語95%のちゃんぽんです)」
「へ!?」
「あー私、6歳まで日本で暮らしてたんで、日本語覚えてるんですよ」
「あ、そうなんですかー(^^)」

意外なシチュエーションで日本語が聞けました。

プレゼン会場を見せてもらい、トラックの搬入路を確認。
あれ、この青いカバーの車は・・・?
プジョーのホイールが付いてるけど、今までに無いシルエットのミニミニバン。
例えるなら、シトロエンC3のプラットフォームで背高ワゴンを作ったような感じ。(この前発売になったプジョー1007ではありません。たぶん2007年デビュー)

「これはトップシークレット、ですよねー」
「だねー」

これで午前中のお仕事は終了。
DSFRに戻ってランチです。

午後はここに居る日本人駐在員の方にプレゼン内容を説明してから、
明日の資料の最終チェックと、入場者リスト作成。

2時ごろイタリアのプロジェクトリーダーであるガロさんがトリノから到着。2ヶ月ぶりの再会です。

さて、入場者リストの作成はシャルボネルさんがやってたんですが、これが結構大変。
住所・氏名・生年月日が必要なんですが、生年月日は会社では使わない情報なんで全員に聞いてまわらなくてはならず、かなり大変そうでした。

明日のプレゼンでは、ぼくも実際にしゃべることになります。
マジっすか?フランス人の前でしゃべれ、と?
受注できなくても知らないよ・・・(^^;;
(じゃあ何しにきたんだ、というツッコミはナシね)

そうそう、明日のプレゼンの後、プジョーの営業企画・技術部の人と一緒に食事することになるそうです。
これは楽しみ。新しい話や、プジョー流の設計思想が聞けそうです。

印刷用の資料作成も終り、ホテルまで送ってもらいました。

「・・なんか、粉だらけの人が居ますけど(^^;」
「あーミュージックフェスタだね〜。今日は夏至のお祭りなんだよ」
「そういえば、出店とか生バンドが出てますね」

「じゃ、明日は7時15分ね」
「はいー」

というわけで、ガロさんとホテルの近くを歩いてレストランを探します。

「うわー、なんか泡だらけの人がいっぱい居ますよ」
「危ないからあっち行ったほうがいいなぁ」
というわけで、まともそうなレストラン2件のうち、1件を選んで入ります。
アメリカンスタイルのレストランみたいなのですが、鴨居のトコにずらっとTVが並んでて、
全部同じチャンネル(^^;

そうかー今日はEURO2004のフランス戦だったな。
店中えらい盛り上がり様です。

注文したくても、店員さんまでテレビに夢中だし、呼ぼうにも周りじゅう応援やら歓声やらで、なかなか気付いてもらえません。
うーん、イタリア人よりフランス人のほうが能天気??
そういえば、ぼくの知ってるイタリア人に、スチャラカな人って居ないんですよ。
恐るべしステレオタイプ。実際のイタリア人は、やるとなったらやり切ります。その中で如何に楽しくやるか、というところはみたまんまですが。
そこだけが変に伝わっちゃったんですね。
日本人男性が家でもダークスーツにネクタイを着ていると勘違いされてるのと似てるかも。

なんとか席に案内してもらい、なんとか注文を済ませ、
明日のプレゼンの話や、翌日のイタリア戦の話をしたりしながら食事をしてから、出店を見て回ります。

芝生にはスプレー缶が散乱しています。

「これなんですかー」
「むっちゃくちゃだなー」

スーツ着てるのでまあ大丈夫だと思いますが、巻き込まれてムーススプレー掛けられると面倒なのでサッサと退却することに。

「では、また明日〜」

日没はほぼ23時。感覚狂うなぁ〜

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というわけで夏至のお祭りには生バンドが出てました。
あんまり上手くないバンドほど場違いに音量が大きいのは
万国共通かも・・・

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すっごい人出です。
これで23時くらいです

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この辺はまともなエリアですが。。。

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Laffite邸正面の空き地ではこんな感じ。
みんなムーススプレー喰らってます(^^;
見知らぬ人に噴射してくるほどヴァカではないようです。


(6/20〜21おわり)

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