バイオリン(その3)


2000年8月に購入した宇野 定男 さん作のバイオリンです。
通称「2000年バイオリン」について
この楽器は、2000年にクレモナで行われる「マイスターコンクール」に
宇野 定男 さんがバイオリンを出品するにあたり、コンクール用に製作したうちの一台を
「ゆずってくださいね!」とお願いしていたものです。

2000年7月
宇野さんの工房に伺った際、並んでいたのは6台のバイオリン。
実は、宇野さんの師匠さんがうっかりミスでコンクールへ書類を出すのを忘れてて、
コンクールに出られなかったのだそうです!Σ( ̄□ ̄;)
だから、この6台の中に、コンクールに出品予定だったものが入っているのです。

「どれがコンクールに出すはずだったんですか?」
「自分で選んでごらん」
「え〜!まじっすか!?」
やばいです。自分のセンスが試される瞬間。

まず、6台の弦をぽろんぽろんと弾いて、2台に絞りました。
次に、A線をひょろーっと弾いてみました。
D線、G線も弾いてみました。
いろんな弾き方をして、感触を試してみます。
どちらの楽器ともいい感じです。
でも、E線を引いた瞬間、明らかな違いがわかりました。

パワーのばらつきです。
高域での伸びが、明らかに違ったのです。
ぼくがこういうこと言うと、エンジンの話と勘違いするかもしれないですけど、
楽器に期待するアウトプットがぴったりの時の音は、すごく心地いいんです。

「これが、いちばん気に入る音がします」
「じゃ、答おしえるわ」
宇野さんがカンペーを取り出しました。
「ボジーニ先生がいちばん良いと言ってたのは、えーっと147番だわ。水谷君の選んだのは何番だったかなぁ?」
「えっと・・・あ!」



こうしてこの楽器は、ぼくのもとにやってきました。


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