7月1日(木)
今日のFIAT本社でのプレゼンは、まあまあ上手くいきました。
ドコの会社も同じですが、FIATは今、「技術の空洞化」という大きな問題を抱えています。
車の進化が早すぎて、自動車メーカが車に関するノウハウをほとんど持っていない状況に陥っているのです。
なぜか。
安全基準、法規制から、ユーザニーズへの機能対応など、1台の車に求められる機能は10年前の5倍以上になっています。
しかも、ユーザの多様化によって、車種はどんどん増えています。
でも、車のモデルサイクルは5年程度のまま。
するとどうなるか。
まず、基幹部分を共通化して車種数増大に対するムダをなくします。
でも、それだけでは機能UPに対応できない。
残った課題は、サプライヤに丸投げ外注することで、当座をしのいできました。
結果どうなったか。
10年経った今、丸投げした技術を伝承する者もなく、車はどんどんブラックボックス化していったのです。
今回のプレゼンで、それがハッキリと感じられました。
FIATのエンジニアは、車の構造、それも力学的なことに関して、なんとぼくよりもプアな知識しか持っていなかったのです。
これからは、サプライヤが車を設計する時代になっていくのかもしれません。
でんそのような巨大部品メーカが車のコンポーネントを設計し、
車両メーカは、その「世界レベルで標準化された安価で信頼性の高い製品モジュール」を組み合わせて車を作る。
まあ、ぼくのプレゼンは、まさにココを切り口にした製品の売り込みだったんですけどね・・・
ところで、FIATの本社前に停めてあったシャルボネルさんのシトロエンが、帰ってきたら大変なことに!
なんと、後部座席のガラスが割られ、車上荒らしに遭ってしまったのです。
Garroさん曰く「あんなトコにフランスナンバーの車置いといたら、ぜったい狙われるよ」とのこと。
うーんやっぱイタリア怖ぇ〜
ま、そんなこともありましたが、散々あちこち開けられたにもかかわらず、
現金もパスポートも無事だったため、当のシャルボネルさんは別に苦にもしていない様子。
この日は3人で祝杯を上げに、通称「ゴルフ」と言えば通じるという名物レストランに行ってきました。
トリノとポイリノを結ぶ、狭い県道の途中、山の中のゴルフ場にあるレストランで、宿泊もできるようです。
ここも、他の伝統的なピエモンテーゼ同様、とても全種類制覇は困難と思われるアペタイザー(前菜)が並んでいます。
シャルボネさんとGarroさんに味を教えてもらいながら、自分の食べたいものだけを15種類くらいチョイスして持ってきました。
これだけでほぼ満腹なのですが、これにパスタ、メインディッシュ、ドルチェ、飲み物が付いて通常のフルコース。
うーんこんなの毎日食べてたら、食後に1時間運動しなきゃならんのもわかる気がします。
7月2日(金)
さてさていよいよ最終日、トリノを去る日がやってきました。
一旦会社に出てレポートを書き上げ、昼のフライトに間に合うよう、10時半ごろ会社を出ることにして、
また例の運転手さんに空港までの送迎をお願いしました。
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ここで3時間くらいの待ち時間を経て、日本に帰ります。
トリノでは買い物の時間&場所が無かったので、後半にリクエストがあった物は、ドゴールの免税店で買うしかないため、
あっちこっち探し回りました。
それでも2時間くらい時間が空いたので、ラウンジで新聞を読みながらネット巡回したりして時間を潰してました。
やはり日本の湾岸は人工的ですね・・・
名古屋空港には奥様が迎えに来てくれてました。
お目当ては、お土産のようです。
そして帰宅。
ぼく「奥様に似合いそうで、通勤でも支障が無い容量を持つバッグを探したんだけど・・・んで、これ。バジェリーのバッグだよー」
奥様「わーいわーい。バッチリじゃーん。でもなにかワイン臭いよこれ・・・」
ぼく「まさか・・・」
奥様「ちょっとー割れてるじゃん!なんでビニールで厳重に包まなかったのー?」
ぼく「包んでたんだけど、破片が突き破っちゃったんだよー。バッグは布だから、すぐ洗うよ」
奥様「(がさごそ・・・)ねえ、時計は?」
ぼく「一番下に入ってるよ」
奥様「え!?掛け時計じゃん」
ぼく「だって居間に置く掛け時計買って来て、って・・・」
奥様「腕時計買って来てくれたとおもってたよーー!似あう服まで考えてたのに!!」
ぼく「そんな脳内妄想知るかよーー!」
まだまだ、以心伝心には程遠いようで。
ちなみに、アルピナに使うBMWの純正部品はすべて無傷で持ち帰ることができました。
次の出張はいつかなー?
また行けるといいけど、こんなに優遇されてるって、すごいことだなぁと思います。
シャルボネルさんをはじめとする各拠点の人たちにも、とても親切にして頂いて、本当に感謝感謝です。
(欧州プレゼン出張2004 おしまい)