走ってみてどうか?
この車は6速ATですが、モード切替によりギアを選択した走行が可能です。
いわゆるセミオートマですね。
ブレーキを踏み、スタートボタンを押します。
静かにエンジンが掛かり、ステアリングが所定の位置に降りてきました。
アイドリングは大変静かです。ただ、ドイツ車らしい確実な脈動がしっかり伝わってきます。
このあたりがセルシオ等国産の高級車と違うところです。
アクセルを少しあおってみます。
びゅぅん!という音とともに、一気に5000rpmまで回ります。
8気筒とはとても思えない俊敏な吹けあがりです。
圧損の低い排気系のおかげか、抜けもよく、圧迫感がありません。
では、さっそく発進してみましょう。
シフトレバーは右奥にあります。

このレバーを下ろすと、Dレンジに入ります。
Dレンジから上に倒すと、ニュートラルに、その後もう一回上に倒すとリバースに入ります。
手前に引くだけでもニュートラルになります。
そして端っこのボタンを押すと、Pレンジになります。
ちなみにドアを開け、パーキングブレーキも掛かってない状態でブレーキから足が離れると
自動的にPレンジに切り替わってしまいます。
車が勝手に動き出すのを防止する為なのでしょうが、ウチの車庫の場合
ドア開けてバックオーライっていうケースが存在するので、これはちょっと不便。
最初にこの現象に出くわした時は焦りました。
いろいろ試した結果、件の制御が掛かる条件が判明したというわけです。
シフトバイワイアという新しいAT制御によって、こういう安全措置を施すことも可能になるんですね。
ちょっと感心しました。

メータはこんな感じです。ムーブメントのある面全体がディスプレイになっていて、
レーダークルーズ走行時やナビ使用時には、こんな表示になります。

速度表示の内周には、クル・コン(クルーズコントロール)の設定速度が目分量で表示されます。
下部のディスプレイには、平均燃費や各種ウォーニングが表示されます。
自分で設定した速度以上になると、速度超過の警告が出るようにすることもできます。
市街地を走ったところ、思ったより小回りが効く上、状況判断が容易なコーナセンサのおかげで
狭い道でもあまり困らないことが判明。
動力性能は、通常のATモードではちょっとトロい感じですが、セミATモードにするともう最強です。
ぼくが普段乗っているアルピナB3とほぼ同等の加速度で突き進みます。しかも挙動はジェントル。
エンジンはこれでもか、というくらい騒音に気を遣った造りになっており、遮音性は充分。
遠くのほうで静かに鳴ってる、という実に気持ちのいい音です。
また、最大負荷時の加速もスムーズで、アクセルに対するリニア性といい、もたつき感の無さといい、
これこそアクセルからスロットルバルブを無くしたバルブトロニックシステムの真価であると思いました。
シャシ剛性も大変高く、特にリア周りはバネ下が軽く(多分アーム類のモーメントが小さい)
バンプ時の接地感の変化がほとんど無く、安心感の高いシャシです。
たとえばコーナーリング中にアクセルを入れると、普通はそこからぐぐっとロールするか、
前後の足がバラバラに動き出してしまうのに、
この車は絶妙な姿勢でぐいぐい前に向かって進んでいきます。
いいですね。
12気筒の760iは、きっともっとすごいんでしょうね。
YUKAさもご満悦のようです(^^)
でもね、きっと僕には買えないと思うよ・・・
E65インプレッションTOP